SSI工法は、(財)鉄道総合技術研究所と旧日本道路公団試験研究所との共同開発による塩害抑止工法です。
コンクリート中の塩分に直接作用する「塩分吸着剤」を活用して、他の防錆工法では
実現できない下記の特長により、抜本的かつ長期的に塩害を抑止します。
A1 複合劣化抑制ペーストを用いるのが最大の特長です。断面修復材、表面仕上げ材はSSI 工法用材料を準用します。
A2 ■塩分吸着剤の役割
陰イオン成分同士を交換することができる機能剤で、カルシウム・アルミニウム複合水酸化物。
骨格がプラスに帯電しており、塩分(塩化物イオン)を吸着して、予め保持させた亜硝酸
イオン(NO2-)を放出する機能を持っています。この機能により、鉄筋周辺を腐食環境から防錆環境に改善します。
■アルカリ交換剤の役割
陽イオン成分同士を交換することができる機能剤で、ケイ素・アルミニウム複合酸化物。
骨格がマイナスに帯電しており、ナトリウムイオン(Na+)やカリウムイオン(K+)を吸着して
予め保持させたリチウムイオン(Li +)を放出する機能を持っています。
この機能により、コンクリート躯体中に生成したり、新たに生成するアルカリ骨材反応ゲルを
リチウム型に変えて、非膨張性に改質し、アルカリ骨材反応を抑制します。
A3 飛来塩分や融雪剤に由来する塩化物ナトリウムが、コンクリートに浸透し、
1)塩化物イオンにより鉄筋が腐食し、
2)加えてナトリウムイオンによりアルカリ骨材反応が誘発されている場合の適用を想定しています。
A4 残存膨張性がなくなっている場合はひび割れの修復や表面保護のみでよいと考えています。
そのため、残存膨張性がある構造物への適用を考えています。
A5 鉄筋中心から30mm背面を適用範囲と考えています。
A6 鉄筋周辺にペーストを塗布する理由は、複合劣化(塩害)による鉄筋腐食を抑制する為です。
躯体背面に塗布することで、躯体に残存するアルカリ量を下げ、かつ、塩化物イオンを吸着し
複合劣化を抑制します。